IFPI(国際レコード産業連盟)が2022年3月22日、世界の音楽市場の売上をまとめた年次報告書IFPI Global Music Report 2022で、2021年の世界の音楽市場の売上は、前年比18.5%増の259億ドルになったと発表しました。国別ランキングのトップ10は日本とオーストラリアの低成長だけが悪い意味で目立ちましたが、それ以外の国は10%~20%もの成長を続けており、来年以降もこの状態が続くと思われます。
世界音楽市場の発展
IFPIのレポートは、音楽ストリーミングが音楽市場の好景気を支えているという見解を示しています。世界の音楽市場は前年比18.5%増で売上規模は259億ドル。IFPIがグローバルレポートを報告し始めて以来、最も高い成長率を達成しました。音楽市場は7年連続でプラス成長を記録しました。
音楽サブスク利用者の急増
世界の音楽市場の拡大の理由の一つは音楽サブスク利用者の急増。音楽ストリーミングからの売上は前年比24.3%増の169億ドル。売上シェアの65%をストリーミングが占めるまで成長してきました。IFPIによれば、2021年末時点で音楽ストリーミングサービスにお金を払うユーザー、サブスクリプション利用者数は5億2300万人。2021年の4億4300万人から18%増加して、12カ月で8000万人が新たにサブスクリプションに加入したこととなります。
中米、南米、中東、北アフリカが急成長
IFPIレポートの地域別の売上は北米は22%増、ヨーロッパは15.4%増、アジアは16.1%増の成長を示しました。中南米は31.2%増で中東、アフリカ地域では35%増になっています。
国別ランキングのトップ10の成長率
年間の主要なアーティストの収益はダウンロードで伸びており、初めてデータの販売が主流となり、それに対応できた国(日本以外)が伸びていることが分かります。世界中の全体でデジタルの影響が強く、有料のサービスが多くなり、フィジカル媒体主体の日本の衰退が浮き彫りになっています。youtubeの再生などで企業はヒットチャートの収益を牽引していき全世界で大きな市場規模になるでしょう。クリエイターの音楽シーンのコンテンツのプラットフォームは引き続き変動しています。
Country | Growth rate |
United States | 22.6% |
Japan | 9.3% |
United Kingdom | 13.2% |
Germany | 12.6% |
France | 11.8% |
China | 30.4% |
Korea | 21.6% |
Canada | 12.6% |
Australia | 4.1% |
Italiy | 27.8% |
衰退する日本の音楽市場
日本は2021年は9%前後の成長をしましたが、1990年代の絶頂期から比べると、下がるだけになっており、他のトップ5と比べると明らかに下り坂です。日本の音楽市場と言えば、世界ではアメリカに次いで2番目に大きく、日本は長年音楽大国であると言われてきました。しかしここ数十年を見ると、日本は完全に落ち目。それに比べてイギリスやドイツの成長が目覚ましく、世界2位から世界4位へと転落してしまう危機にあることが分かってきました。なぜ日本は音楽市場が衰退しているのでしょうか。
CDに依存する音楽業界
日本は明らかに世界のトレンドとは逆を行っており、いまだにCDやDVDといったフィジカル媒体の売り上げに依存しています。国内音楽市場の売上の71%がフィジカルであり、音楽配信サービスの売上が29%しかありません。CDの販売減少は日本だけでなく世界でも同じように起こっていますが、世界の音楽市場は成長を続けていて、CDの販売減少を上回って音楽配信の売上が増加。明らかに日本だけが世界のトレンドに取り残されています。
アイドルブームに依存
日本がCDやDVDの売り上げに依存している理由としてはアイドルブームがあります。アイドルとの握手券目当てのファンが大量のCDやDVDを買うということで曲が売れることになります。このような握手券商法が強いため、アイドル依存の商売をせざるを得ないのです。しかもアイドルブームは下火になり、CDの売り上げも落ちてきているため、じり貧であることは間違いないです。
新しいビジネスに消極的な音楽業界
レコード会社もアイドルブームが終わったときの、次の仕掛けをしていません。いまだに鎖国ビジネスを展開しており、これは時代に乗り遅れていると言っていいでしょう。現代はIT、金融、保険、製薬と、どの業界も世界経済と密接にかかわっていますが、音楽業界だけ取り残されています。
外国では関心がないJPOP
レコード会社が世界展開できない理由としてはJPOPが不評であることが一つの原因です。JPOPは外国では全然売れないのです。そのため、音楽市場は国内の購買力にしか頼れないのが現状であり、日本の人口が今後減っていくことから、さらなる衰退は避けられないとみられています。
日本音楽業界の没落は避けられない
以上のように日本が音楽市場の売上において高い順位を保てている現状には限界があり、近い将来没落していくことは間違いないでしょう。日本の音楽マーケットは現状から大きく変えていかなければ、厳しい将来が待っていると言われています。
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