民族音楽とはとてもニッチなジャンルで、商業音楽の世界ではほぼ需要のない音楽ジャンルとして認識されています。ヒットチャートを見ていればわかる通り、ほとんどの音楽はEDMであったり、ポップスであることが多いです。しかしそんな全く需要がないと思われる民族音楽は実は意外なところで需要がある音楽でもあるのです。
民族音楽とは
民族音楽はその地域で開発された楽器などを使用して演奏する音楽です。世界のすべての民族は全部独自の音楽を持っており、独自の楽器を持っています。そんな背景もあることから、民族楽器の数は世界で数えきれないほどあり、専門家でも把握しきれないほどあるのです。民族音楽楽器はどの楽器もかなり癖がある音色を持っており、それがいい味付けとなり、特徴のとても強い音楽を演出します。しかしその特徴が強すぎる音色を持っていることから、他のジャンルとの融合が難しいという一面も持っており、曲によっては民族楽器を混ぜることで雰囲気を壊してしまうことも良くあります。
独特のスタイル
独特のスタイルの楽曲が多いです。世界の音楽なのでジャンルは広く、メキシコ、タイ、ペルー、スペイン、韓国など楽器は世界中のもので民俗音楽は構成されます。アジア、オセアニアからヨーロッパまで歌は現地の言語で歌われています。日本語を含まないものも多いわけです。
ポピュラー音楽とは違う
ポピュラー音楽とは違います。ポピュラー音楽は売れるかどうかだけです。民俗音楽はミュージックのジャンルでもワールドミュージックや民俗芸能の要素がとても強いのです。コンテンツの創作はいわゆる管楽器や弦楽器といったものですが現地の楽器を使って製作されます。
民族音楽の需要
民族音楽で使われる楽器はとても癖が強いため、一般的には何らかのイベントで使用されるぐらいのもので、商業音楽の世界ではあまり馴染みがないでしょう。しかし実は意外なところで民族音楽は重宝されているのです。海外でも日本、中国、インドでも社会における芸術の民謡、舞踊にもなっています。伝統音楽は音楽家によって独特の旋律、リズムが刻まれ、それぞれ伝承された形式を持っています。大衆音楽にはない言葉があります。
ポップスとの融合
意外にもポップス音楽と民族音楽の融合された楽曲というものがあったりします。数は限られているものの、民族音楽の楽器の特徴をポップスで取りいれているアーティストもいるのです。有名なのは1990年代に活躍したThe Corrsなど。The Corrsはアイルランドのバンドで、アイルランドの伝統的なケルト・サウンドをモチーフにしてますが、ポップス音楽の世界に取り入れて大人気のバンドになりました。アイルランドのティンホイッスルやバウロンなどを駆使した楽曲がとても多いです。彼らはグラミー賞の最優秀ポップ・パフォーマンス部門にノミネートされ、最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス部門にもノミネートされています。
映画音楽の需要
民族音楽は映画音楽にも需要があります。例えば、歴史の舞台を背景にした映画などは民族などをテーマにした音楽などが多用されます。ほぼ100%BGMだけになってしまいますが、民族音楽が映画を引き立ててくれます。映画音楽の場合は純粋なクラシック音楽だけでなく、民族楽器をうまく融合させて、上手く雰囲気を作っています。昔と比べても映画音楽は純粋なクラシック音楽は減ってきており、他のジャンルと融合させた音楽になってきています。映画の企画次第では楽曲のほとんどが民族楽器だらけになることも少なくありません。
Production Music Library
ヨーロッパとアメリカに限定されるビジネスですが、Production Music Libraryでも民族楽器の需要はとても高いです。Production Music Libraryとは業務用音楽ライブラリーでCM、テレビ、ラジオ、映画会社などが映像作品に音楽を使いたいときにProduction Music Libraryの会社からライセンス契約をして使用料を払う代わりにProduction Music Libraryの会社が持っている100万近くの曲を使うことができるというビジネスです。このビジネスは欧米諸国にしかないビジネスモデルですが、一部南アフリカやイスラエル、オーストラリアでも需要があります。Production Music Libraryの会社は多用多種なジャンルの音楽を事前に用意したいため、民族音楽を作れる作家などは重宝されるのです。
コメント