インドと言えばアメリカを抜いて世界一の経済大国になると言われている国です。しかし、音楽市場に関してはそうでもない可能性があります。音楽産業はインドの市場を過大評価しているのかもしれません。世界の名目GDPでは5位についており、いずれは日本、イギリス、中国を抜いていくと言われていますが、音楽市場に関してはどうもうまくいっていません。
2021 世界の名目GDPランキングトップ10
ビジネスのデータを調査したところ、トップはやはりアメリカ。今後は海外でも米国を超えていくと見込まれているのがインドです。プラットフォームの浸透やトレンドの形成など必要ですが、人口が多いインドはアーティストにとってもとても美味しい市場です。デジタルの時代を迎えて市場の動向は拡大を続けています。業界でもメディアやwebの世界が発展しており、拡大が見込まれます。
Country | Unit: million US$ |
United States | 22,996,075 |
China | 17,744,640 |
Japan | 4,932,556 |
Germany | 4,262,767 |
United Kingdom | 3,187,626 |
India | 3,176,296 |
France | 2,957,425 |
Italy | 2,101,275 |
Canada | 1,988,336 |
Korea | 1,810,966 |
インドの経済成長はすさまじく、イギリスやドイツだけでなく、中国やアメリカすらも将来的には抜いていくと見込まれています。これには西欧諸国の投資も活発化しており、経済成長が目まぐるしいことが挙げられます。
2021 音楽市場国別ランキングトップ10の成長率
Country | Growth rate |
United States | 22.6% |
Japan | 9.3% |
United Kingdom | 13.2% |
Germany | 12.6% |
France | 11.8% |
China | 30.4% |
Korea | 21.6% |
Canada | 12.6% |
Australia | 4.1% |
Italiy | 27.8% |
これに対して音楽産業ではインドは世界のトップ10にすら入っていません。経済成長をしている国では一般的に娯楽産業も発展していくのが通例ですがインドでは銅も音楽産業が今一つの状態なのです。
インド音楽産業
インドは13億3000万人もの人々を抱え、ここのところレコード産業で最もホットな見込みある市場とされてきていました。ところが、アメリカやヨーロッパのようなストリーミングの成長があまり見られないというのです。2019年インドの卸売市場全体は18.7%上昇し、1億8140万ドルになりました。これは大部分は広告によるストリーミング収入の増加によるもの。この金額のうち、有料会員によるストリーミング収入の増加は5.3%にとどまり、4380万ドルしかないそうです。前年からほんの220万ドルしか上がっておらず、世界で10本の指に入る音楽市場になるという目標が頓挫してしまいました。
音楽ストリーミング産業の明暗
現在の世界音楽市場はストリーミング音楽産業の売れ行き次第と言える状態です。そんななか、インド音楽市場におけるストリーミングサービスには明暗がはっきり分かれています。
AppleとSpotifyの苦戦
インドで、最も人気の高い音楽ストリーミングサービスを提供するのは、スウェーデンのスポティファイ・テクノロジーでもアメリカのアップルでもないのです。ではどこかというと、インド以外ではほぼ無名の音楽配信サービスGaana。アップル・ミュージックとアマゾン・ミュージックは、インドで数年前からサービスを展開するも、それほどの爆発的な売り上げにはなってないようです。スポティファイやユーチューブ・ミュージックも同様にインドでサービス提供を開始。しかし一番人気はGaanaだったのです。
Gaana
インドのデリー首都圏にあるノイダに拠点を置く音楽ストリーミング配信会社。この会社は月間ユーザー1億5200万人を擁するインド最大のストリーミングサービスです。インドの消費者が殺到するのは、自分たちに合ったサービスだからだとアナリストは指摘しているといいます。4500万曲以上のライブラリーは主にインドの曲で構成され、20余りの地域言語で聴くことが可能なことが大きいと言われます。インドでは消費習慣を地域ごと、さらに言えば都市ごとに好みも習慣も違うのです。これを理解しているGaanaは売れ行きが絶好調。
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