【世界音楽市場】日本音楽業界のガラパゴス化の理由と実態日本の音楽は遅れてる？

以前に以下の記事で紹介したように、日本の音楽業界はとても特殊な構造になっています。それがゆえに外国のリスナーに全く相手にされず、さらには日本国内で音楽が多様化しているため、とても独特な構造が形成されるようになりました。それによって日本の音楽業界はどのような状態になっているのでしょうか？

ガラパゴス化とは？
日本の音楽業界の現状

ガラパゴス化とは？

ガラパゴス化とはいわゆるビジネス用語の一つになります。これは何を意味するかというと、日本のような島国で起こりやすい現象ですが、外国とは切り離された孤立化した環境により、外国のサービスと比べて進化が止まってしまい、独特の文化が浸透します。しかし最終的には、性能の高い製品や技術などが外国から流入された時点で、淘汰されるという運命が待っています。この現象は音楽業界だけに当てはまる話ではなくすべての産業にも言えることです。このガラパゴスという用語は2000年代に入って浸透するようになりました。

なぜ日本の音楽業界は外国と無縁になったか？

昔から日本の音楽業界は、アメリカやヨーロッパのような音楽先進国へ進出する努力をしていました。芸能事務所のアミューズなどが頻繁にライブなどもしていたのですが、結局鳴かず飛ばずで日本の売れっ子アーティストは憂き目に遭っていたのです。これを繰り返していったことからSONYやUniversalなどの大手レコード会社は外国進出を諦め、国内の購買層のみをターゲットに絞る戦略を採用するようになったのです。その結果、世界から取り残される結果になりました。

独自の音楽文化が形成

そして以上のような後ろ向きな理由により、日本の音楽業界は独自の音楽文化を形成するようになりました。それはアイドル音楽などがその代表的存在でしょうが、ジャンルなどで見ても、いまだに日本では衰退したロックや、JPOPなどが流行しています。それに対して、世界ではヒップホップやラップが全盛期を迎えており、明らかに世界とは違う道を歩んでいるのです。これにより外国のレーベルも日本へ参入しにくくなってしまっているのです。

最終的な結末

しかしガラパゴス化は最終的には淘汰される運命にあります。今の経済はグローバル化されており、世界中で密接になっているのです。日本もほとんどの産業が世界企業と商売をしているのですが、音楽業界だけ国内でひっそりと生き続けることは難しいと言われています。江戸時代には存在していた武士が、明治時代には消えていったように今の音楽業界も大きく変わっていく未来が待っていると予想されています。

日本の音楽業界の現状

日本の音楽業界の現状はどうなっているのでしょうか？どのようなジャンルが流行しているのでしょうか。以下に一覧で今の時代の状況を書き並べてみましたが、やはり他の先進国とは違う進化をしていることがわかるでしょう。ヒットする楽曲に傾向がないのです。2000年以降は注目されるジャンルもバラバラです。ニュースや特集を組まれるのもこれと言った傾向がありません。日本の社会で新しい好きな音楽も若者の中で生まれずまとめてみると閉塞感が漂っています。イベントでも個人でも売れない傾向にあり世界的にコンテンツは厳しいです。

JPOP

JPOPは1990年代に全盛期を迎えました。しかし2000年代に入り、大きく衰退し、アイドル音楽に主役を譲ることになったのです。現在もJPOPは存在しますが、日本の若者が減っているという現状に加えてリスナー自体も減っており、マーケットが縮小し続けています。

アニメ音楽

日本はアニメがとても流行している国です。有名なアニメ作品はほとんどが日本と言ってもいいでしょう。それに付随して、オープニングやエンディングソング、さらには劇中の音楽などは一部のマニアにはとても需要があります。ただしマーケットはそれほど大きくありません。

洋楽

日本の音楽業界の売り上げのうち3割から4割が洋楽であると言われています。洋楽と言っても、日本で聞かれる音楽はほとんどがアメリカやイギリスの音楽になります。ある意味JPOPよりも、固定ファンが多いジャンルかもしれません。外国のアーティストも良く日本でライブを行うのは、日本に洋楽アーティストのファンが多いという証拠でもあります。

アイドル音楽

2000年代の音楽業界を支えているのがアイドル音楽でしょう。しかし実態は悲惨な一面を持っており、ほとんどのファンは音楽目当てというよりは、アイドルとの握手券目当てが多いのが実態。CDなどを1人のオタクが100枚以上買い付けたりする例も多く、CDは1円でオークションに出品されているのが現状で、ほとんど音楽が聴かれていません。しかし実際はこのオタクが日本の音楽業界の売り上げを支えています。