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【世界音楽市場】イギリスで流行するUKドリル UKロックは終わった?

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イギリスというと音楽の話しの中では大きくUKロックをイメージする人がとても多いでしょう。それもそのはず、UKロックは1900年代後半から2000年代初頭までとても流行し、ヒットチャートの常連と言えるジャンルでした。しかしイギリスでは近年ヒップホップが強くなってきており、UKドリルと呼ばれるジャンルが急成長してきているのです。

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UKドリルとは

UKドリルは近年のイギリスで台頭してきている新ジャンル。このジャンルはグライム、UKガレージや、ダンスホール、ジャングル、ドラムンベースなど、多くの音楽ジャンルの影響を受けていると言われています。トラックの特徴として、ヒップホップっぽい曲調で、ダークなメロディーや重たいキックなどの音色が多いことが挙げられます。UKドリルが発祥した当初は、ギャングの間で流行した音楽ジャンルでした。限定的な世界で流行していた音楽ですが、サウスロンドンのグループ「67」が台頭してきたことをきっかけにこのジャンルは流行しました。

67は2000年代に台頭したグループで、特に2010年代半ば頃に有名になりました。彼らの台頭がきっかけでイギリスではこのUKドリルが流行しています。そして彼らに続くグループも次々に出てきており、イギリスにおける一大人気ジャンルになる可能性があります。UKドリルは元々ギャングで流行した曲であることから、歌詞がストリートにおける犯罪を語る内容が多いです。

UKドリルの拡大

UKドリルというジャンルはYouTubeの専門チャンネル、TwitterでのMV拡散、TikTokのダンス動画といったSNSでのバイラルヒットを起点に認知度や人気が拡大してきています。特に若年層を中心に受けが良く、多数のリスナーが生まれています。さらにこのジャンルはイギリス国内のみならず、ヒップホップの本家ともいえるアメリカでも急成長してきています。今ではロンドン、ニューヨーク、パリ、シドニー、アジアなどにも広まっている音楽でPitchfork誌は2019年にドリルを「この10年間で最も重要なヒップホップのサブジャンル」と評価してます。

警察の監視

以上のようにUKドリルは歌詞がストリートにおける犯罪を語る内容が多いことから、犯罪を助長するような内容であり、警察に目を付けられました。特にロンドンではUKドリルが発展を遂げており、2018年には、ロンドン警視庁による署名の結果、30ほどのUKドリルの動画がYouTubeから取り下げられたという実態があります。イギリスの警察は現在厳しくUKドリルを取り締まっているというのです。

UKロックは終わったのか

新ジャンルの台頭により旧来の人気ジャンルであったUKロック。イギリスにおいて2010年代はロック不作の年代と言われています。しかしこれはイギリスだけの問題ではなく世界的にもそうなっています。音楽先進国では軒並みロックが衰退し、イギリスもこの法則が当てはまったのです。かつてはビートルズやオアシスなどの伝説的なロックバンドが多数生まれたこの国では、もはやロックの需要はなくなっています。それは2010年代のヒットチャートを見れば明らかで、2010年の年間シングルチャートではロックはわずか3つだけ、年間アルバムチャートだとわずか1枚しかありません。

バンドの時代はもう終わってしまった?

2010年代から流行した音楽ジャンルはクラブミュージックやヒップホップなどです。勢いに押されたUKロックは確実に衰退してしまいました。またロックが衰退した理由としてユーザーが多様なジャンルを求めたことも一因です。ストリーミングサービスやダウンロードサービスが主要音楽サービスとなり、大量の音楽が聴けるようになったことから、UKロック一極化が維持できなくなりました。いまではUKロックはその他ジャンルの一つとして認識されているのです。時期によりますが自分たちのツアーなどで古いファンも完全に少ない状態で付いてこなくなっています。

アーティストの傾向も変わった

バンドの時代はかなり終わったと言われています。アーティストの新しいサウンドを2000年代の前と後ろで見てみても、世界中で音の使い方、存在の在り方も変わっています。ポップなミュージシャンがリバイバルする例はあっても、ジャズやクラシック、ブルース、パンク、フォークとラップをミックスしたスタイルでリリースする時代になりました。10年くらいの単位でスターも入れ替わっていますが、新たなグループをみたあたり、文化が70年代や80年代、90年代とは大きなブームの転換を感じています。本当に象徴となるロックのバンドはなくなりました。

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